2018.11.19
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採用・育成

グローバル化を進める企業が気をつけたい3つのこと

(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)
(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)
急速に発展しているアジア市場には多くの日本企業が進出しています。企業のグローバル化には、現地法人のローカライズが大変重要ですが、日本企業は他の海外企業に比べると遅れをとっています。それは人事についても同じで、今回は日本企業が気を付けるべき3つの課題について紹介します。

現地スタッフの採用・育成・定着に大きな課題を抱える日系企業

日本は島国であり、また江戸幕府の鎖国政策など、地理的にも歴史的にも多様性を受け入れる機会が少なかったことが、日本がダイバーシティを苦手とする背景となっており、現代においても女性の活躍が海外より遅れていることが指摘されています。

企業のグローバル化おいても、現地人材が育たないという問題を抱えている企業は多く存在します。その改善策としては、まず管理職を担う現地スタッフを育成し、現地管理職に他の現地スタッフを育成してもらうことが効果的です。しかし、現地スタッフに管理職を委ねることに抵抗がある企業も多く、実際に現地スタッフの管理職の割合は少ないのが現状です。

また、せっかく育ててもすぐに辞めてしまうという問題もあります。リクルートワークス研究所が2013年に発行した「アジアの『働く』を解析する」によると、アジア現地人材は「高い賃金・充実した福利厚生」を強く重視しており、給与水準が決して高くない日本企業は、欧米企業よりも人材を逃しやすいことが考えられます。

そのため、日本より転職や引き抜きが当たり前のアジアにおいては、優れた人材は流出しやすいのです。

アジア諸国の働くことに対する意識の違いを理解する

先ほどのリクルートワークス研究所の報告によると、日本は「働く」ことに対して、一人でできる仕事を望むローカル志向が極めて強く、アジア諸国、特にインドでは、多くの人を巻き込んで仕事をするグローバル志向が強い傾向があります。

また、日本では自分や家族のために働くのに対して、ベトナムやインドでは、国の発展のために働きたいという意識が強いのです。この意識の違いにより、日本の価値観を他のアジア諸国に理解してもらうのは難しく、日本の常識は通用しません。

アジア諸国で仕事をする上でもっとも重視されているものは「高い賃金・充実した福利厚生」であり、その次に、「雇用の安定性」「明快なキャリアパス」「教育機会の提供」などが挙がります。そのため進出先の国の仕事に対する意識をしっかり調査・理解し、その意識に合ったマネジメントすることが何よりも重要です。

優秀な人材を獲得するために必要なこと

マネジメントのほかにも気をつけたいことに「人脈」と「ローカルルール」があります。アジア諸国では、日本以上に人の繋がりが企業に大きな影響を及ぼします。その理由は、人材紹介会社が少なく、就職・転職するときには、家族や友人・知人からの紹介(リファラル採用)か、就職を目的としたメディアのどちらかを使うからです。

すでに採用している現地スタッフの会社に対する満足度が高ければ、良い人材の紹介につながりますが、逆に不満を抱えている場合は、家族や友人・知人を通じて悪い噂が広まってしまい、企業にとって大きなマイナスになります。

インドや中国で優秀な大学や専門学校からの新卒採用を望むのであれば、学校関係者とのコネクションが重要で、学校に何度か足を運び、独自のパイプを持つ努力も必要です。

進出先の企業制度や労働制度などの法的ルールにも注意しなければなりません。その国ごとにルールは異なっていることはもちろんですが、政治体制の変化によりそのルールが変わることも少なくないため、経済だけでなく政治動向や社会動向の変化など方面にアンテナを張り、先を見越した対応が求められます。

グローバル企業はローカライズを心がけること

国ごとによって現地人材の働く目的や意識は異なっており、さまざまな国籍や人種、民族、宗教観などがあるため、ダイバーシティ・マネジメントでなければ優秀な人材を確保し、定着することはできません。日本の人事制度における常識にとらわれることなく、現地のルールや環境、意識の違いに真摯に向き合って、ローカライズを進めることも大切なのです。
 

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