2019.7.12
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採用・育成

世代を超えたマルチ・ジェネレーショナルな職場環境作り 対立の原因と対策

(写真=Jacob Lund/Shutterstock.com)
(写真=Jacob Lund/Shutterstock.com)
少子化や平均寿命の伸び、労働条件の改善にともない、ベビーブーマーからZ世代まで、様々な年齢層の従業員がともに働く「マルチ・ジェネレーショナル・ワークフォース(多世代労働力)」が、今後益々加速することが予想されます。

すべての年齢層の意図の特性を学び、まとまりのあるチームにする方法を見つけることは、マネージメントの新たな課題と言えるでしょう。

8割以上がマルチ・ジェネレーショナル・ワークフォースに肯定的

総務省統計局の2018年のデータ によると、15~64歳の就業者は前年から78万人増えて5,802万人に、65歳以上は55万人増えて862万人に達しました。このような労働力の変化は日本に限ったことではありません。

例えば米国でもベビーブーマー世代(ピュー研究所定義、1946~1964年生まれ)が労働力の25%、X世代(1965~80年生まれ)が35%、ミレニアム世代(1981~1996年生まれ)が33%、ポスト・ミレニアム世代(1997年以降生まれ)が5%という構成であることが、ピュー研究所2017年のデータ で明らかになっています。

世代を超えた労働力は、「組織の多様化に活用できる」というメリットがある反面、「世代間の対立」という新たな職場問題の要因にもなっています。

国際HR調査企業ランドスタッドが2018年、34ヵ国の18~65歳の有給雇用者(各国最低400人)を対象に実施した調査では、86%が「マルチジェネレーショナルな職場環境で働きたい」、85%が「マルチ・ジェネレーショナルな職場環境が恩恵を生みだす」と回答しました。

一方で31%が「他の世代とのコミュニケーションが難しい」、80%が「他の世代とはコミュニケーションスタイルが違う」と感じています。

「価値観の違い」「偏見」「コミュニケーショの欠落」は対立の3大要因

世代間の対立や摩擦を生む大きな要因の一つ目は、「育った環境や価値観の違い」です。高度成長期や景気後退、テクノロジーの急速な発展など、価値観や生活スタイルなどに大きな変化をもたらした出来事は世代によって異なります。これらの背景がその世代の仕事のスタイルに反映されていても、不思議ではありません。

わかりやすい例は、コミュニケーション手段です。ベテラン世代が口頭でのコミュニケーションを好む傾向が強いのに対し、若年世代の主なコミュニケーション手段は、メールやチャットです。

二つ目は、こうした価値観の違いに基づく「異なる世代への偏見」です。「若い世代は忍耐力に欠ける」「ベテラン世代は頭がかたい」といった思い込みが、コミュニケーションの妨げとなっている可能性があります。

三つ目は、「コミュニケーションの欠落」です。調査結果が示すように、異なる世代間のコミュニケーションに多少なりともギャップがあり、それが原因で「やりとりが上手くいかない」「一緒に仕事をやりづらい」と感じている人は少なくありません。

世代の違いをプラスに転じる5つの対応策

世代ギャップに起因する対立を乗り越えて、すべての従業員が快適に働ける職場環境を築くためには、以下の5つの対策が役立ちます。

1 従業員間のコミュニケーションを促進する

従業員間では、同じ年代同士の交流が深まる傾向があります。異なる世代がお互いに対する理解を深めるために、仕事やイベントを通して交流を図れる機会を設けるなど、マネージメントが積極的に交流を促進することも大切です。

2 世代に合わせたコミュニケーション方法を選ぶ

マネージャーにも、同じことが言えます。個々の従業員の特徴やスキルを把握した上で、コミュニケーション方法を使い分けるべきでしょう。すべての世代とまんべんなく交流を図り、信頼関係を築くことも、マネージメントコミュニケーション能力に含まれます。

3 各世代の長所を最大限に活用する

年齢層の高い世代には豊富な経験や知識、若い世代には新しいスキルやアプローチを吸収できるという利点があります。各世代が、それぞれの得意分野を最大限に活かせるチームを結成することで、労働力を高めることができます。

4 柔軟性とオープン性を忘れない

各世代の異なる特徴や個人的・職業的需要を理解・配慮し、多様な働き方や仕事のスタイルを、柔軟かつオープンに受け入れられる職場環境を目指しましょう。

5 評価や激励を忘れない

それぞれの役割や目標に合ったフィードバックや評価、アドバイス、激励を与えることで、世代や役割の違いによる従業員の孤立を未然に防ぎます。

こうしたアプローチを企業文化の一部として定着させることで、マルチ・ジェネレーショナル・ワークフォースの恩恵を最大限に生かせる職場環境が生まれるはずです。
 

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